桜の開花が待ちどおしいこの時期は、同時に311の大震災を振り返る時期でもありますます。いじめや自殺、被災者住宅、農業支援、生活課題、原発の問題も含め課題は続いています。さらに国内外の政治経済の混乱とその報道に、私たちは生きる意欲や将来の希望、何らかのヒントを感じとろうとしているのでしょうか、それともあきらめや絶望、将来への不安を感じとってしまうのでしょうか。
大学生の就職率は高い状態ではありつつも、公務員、安定志向は変わらない、そんな中、労災や過労死に至るまで働きつづけざるを得ない、一方では大手企業が傾きつつある、そんな理不尽な状況から私たちは何を学んでいるのでしょうか。
経済格差は、情報格差や心理的格差を生み出し、自分の選択肢を広げる、生き方を広く考えるということをしなくなることが懸念されます。お金がないと感じてしまうと視野狭窄におちいり行動が萎縮し、知恵が働かなくなるのです。公務員のような経済的に安定した身分であっても、残業が慢性的に続き気持ちや生活にゆとりがないと、同じようなことがおきているように感じます。
自分の考え方や感じ方、発想の枠を広げることにより、現状が変わらなくてもより自分らしい生き方、より自分を肯定できる生き方につながるのではないでしょうか。そのためには感動や発見等、こころが動く何かが必要と感じます。そのヒントは日常生活の内外にあるかもしれませんし、カウンセリングという相談過程でおきるかもしれません。
私たちのような仕事上の立場では、カウンセリングという体験がおもしろくなってきた、カウンセリングという勉強が楽しくなってきたと自己洞察や自己発見につながり、心が自由に動きだす瞬間がおおきな喜びです。
その体験過程にお役にたてるかもしれないお知らせです。理事全員が奮闘し、執筆したメールカウンセリングを学ぶ10年ぶりの新刊です。
「メールカウンセリングの技法と実際-オンラインカウンセリングの現場から-」ご一読いただけると幸いです。この1年もどうぞよろしくお願いします。
2017年4月1日
特定非営利活動法人日本オンラインカウンセリング協会
理事長
佐藤 敏子